新しい入口

誕生日です。55歳になりました。
お祝いのメッセージもたくさん頂きました。
ありがとうございます。
今年はお祝いの言葉が本当に嬉しかった。
いつも嬉しいんだけど、今年はいつも以上に
心に沁みた。ありがたかったです。


岩手に帰ってから一人でいる事が多くて、
たまに友達に会ったり話したりすると
年甲斐もなくはしゃいでしまい、後から
彼らへの思いやりの無さに気付いて落ち込む、
という事が多々あった。
特に去年はひどかったので、友達から見捨て
られても仕方ないな、と思っていたのである。
だから本当に嬉しかったし有難かった。
ちゃんとしよう、ほんとに。


3日前の朝、高橋幸宏さんが亡くなった事を
知った。享年70歳。あまりに早すぎる。
しばらくは理解できなくて、それでも
胸にポッカリと開いた穴は大きくなるばかりで、
それは正直今も変わらない。


いつかきちんと書くつもりだが、僕にとって
幸宏さんは全ての入口だ。
音楽を聴く事、楽器を弾いたり音楽を創る事は
勿論、映画やお笑い、美術、ファッション等々
様々な物について紹介してくれただけでは
なく、それらを深く理解し、自分にとって
どれが大切か、何を選択して行くかを掴む為の
手掛かりを示してくれた。


幸宏さんが居なかったら僕の生活はだいぶ
変わっていたと思う。
当然、写真家になるなんて事は選択肢にさえ
無かったはずだ。
数年前ふと「いつかはYMOの3人も居なく
なってしまうんだな」と思った事があったが、
それがこんなに早く来るとは思わなかった。
だから、いまだに混乱している。


混乱の一方で、年明けから心境の変化も少し
あった。昨年は状況を立て直す気力すら
失いかけていて、歳も歳だし「さすがに今度
こそダメになるかな」と思ったが、少しずつ
立て直しつつある。気持ちが軽くなってきた。
また最初から始められるかな。