夏の町

休日である。昨夜から酒を控え(嘘である)、早起きして掃除洗濯を
テキパキとこなし(「テキパキ」は嘘である)、10時過ぎに外に出る。
関内にてアイスコーヒーを飲み、日ノ出町まで散歩しながら撮影。
その後は京急線に乗って横須賀へ向かう。


最初から決めていた訳では無い。歩いてるうちに「行ってみようかな」
と思ったのだ。横須賀に行く時はいつもそんな感じだ。時間をかけて
東京やら北関東まで行く気分ではないし、かと言って横浜でも川崎でも
ないし......じゃ行ってみっか、という感じ。


とは言え、決して消極的な訳ではない。横須賀中央駅を降りた途端に、
何だかゾクゾクしてきた。ああ、やっぱり面白いぞ。撮りたいなあ。
はやる心を抑えつつ、まずは軽く腹ごしらえ。それから撮影開始。
今日も暑いが、風が気持ち良いのでそれほど辛くは感じない。


改めて、港町は面白いなあと思った。どこか荒っぽくて色っぽくて、
わくわくしながらもどこか気の引き締まる思いがする。
ふと釜石を思い出した。ああ、夏の釜石の、あの感じだ。
「一番好きな季節は、夏だ」と思っていた頃の感覚が甦ってくる。


その後は逗子へ。駅には海水浴帰りの人の群れがあふれている。
ああ、ここも夏だなあ。
多分使わないであろう、浮き輪やビーチ・サンダルやらの写真を撮り、
駅で冷たい缶コーヒーを飲んでから、帰りの電車に乗った。
うん、夏も悪くないな。